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ファーイーストビレッジホテル横浜
横浜 桜木町ホテル 朝食バイキング

朝、ラクサの湯気の向こう側

by 匿名2025年12月26日

横浜に来た理由を、私はまだ自分でもうまく説明できなかった。 ただ、ここではないどこかに行きたかった。それだけだった。

ファーイーストビレッジホテル横浜。 予約サイトで偶然見つけ、深く考えずに決めた宿だった。

朝食を付けたのも、気まぐれに近い。 「横浜とシンガポールの味が少し楽しめます」 そんな一文に、なぜか心が引っかかった。

朝八時。 エレベーターを降りて二階のレストランに足を踏み入れると、 そこは拍子抜けするほど静かだった。 広い空間に、青い椅子が整然と並び、 白いタイルと銅色のランプが、朝の光を柔らかく反射している。

——誰もいない。

一瞬、来る時間を間違えたのかと思った。 でも、料理はすべて整っていて、 パンも、フルーツも、サラダも、 まるで「今から始まりますよ」と言わんばかりに綺麗だった。

サプリメントドリンクを注ぎ、 グラノーラにヨーグルトをかける。 マンゴーとフルーツポンチを少し。 アラジンのトースターで、クロワッサンを温める。

しばらくすると、 スタッフの声が聞こえた。

「おはようございます。ごゆっくりどうぞ」 「お料理、こちらもございます」

明るくて、押しつけがましくない声。 それだけで、胸の奥に溜まっていた何かが、 少しだけ緩んだ気がした。

十分ほど経つと、 他の宿泊客がぽつぽつと入ってきた。 でも、広い空間のおかげで、騒がしさはない。

シンガポールラクサをよそい、 湯気の立つスープを一口飲む。 ココナッツの甘さは感じるけれど、 海老や香辛料は控えめだった。

——少し、物足りない。

黒いカレーも、 思ったほど深みはない。 期待していた「異国の朝」には、 正直、届かなかった。

それでも不思議と、がっかりはしなかった。

納豆を混ぜ、 雑穀米にのせ、 味噌汁を飲む。

「こちらも補充しておきますね」 スタッフが笑顔で声をかけ、 手際よく料理を整えていく。

一時間以上経っているはずなのに、 どの料理も、まるで誰も手をつけていないかのように美しい。 ——ああ、だからさっきも綺麗だったんだ。

味よりも、 その気遣いが、胸に沁みた。

誰かに何かをしてもらうこと。 ただ、当たり前のように優しくされること。

それを、私はずいぶん久しぶりに受け取っていた。

最後に牛乳を一口飲み、 小さく息を吐く。

「ごちそうさまでした」

心の中でそう言うと、 少しだけ、肩が軽くなっているのに気づいた。

——大丈夫。 今日の横浜、歩いてみよう。

窓の外には、 朝の光に照らされた街が広がってい

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ファーイーストビレッジホテル横浜

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