浜さんで、年が暮れる
中華浜 お隣付き合いで、昔から出前も取るし、 仕事終わりにふらっと一杯やる場所でもある。
年末になると、理由なんていらなくなる。 「隣だから」「いつもの流れだから」 それだけで暖簾をくぐる。
店主と交わすのは、 中身のない話ばかりだ。 忙しかったね、とか、 今年も終わるね、とか。 答えのいらない言葉。
しなそばの湯気が立ち、 レモンサワーの氷が音を立てる。 ヨットハーバーの方から、 冬の匂いを含んだ風が少し入ってくる。
特別なことは何もない。 でも、浜さんがそこにあって、 いつもの味が変わらず出てくる。
街から町中華が減っていく中で、 「まだある」という事実だけで、 少し救われる気がする。
お隣さんの付き合いで使っていたはずが、 いつの間にか、 一年の終わりを確認しに来る場所になっていた。
年末は、 そういうことを 静かに思い出させてくれる。
